ゼネコンの施工管理という仕事は、一言で言えば
「建物をつくり、竣工まで完了させることがゴール」。
このゴールはどの会社でも同じです。
でも、その過程にある 設計や施工管理の内容は、案件ごとに全く違う。
だからこそ面白くもあり、大変でもある。
そして、扱う金額は何億、何十億という大きな金額。
責任も大きい。
そんな施工管理業務を、
もっと効率化して、もっと楽しくするには?
私は、そこにIT技術の活用がカギになると考えています。
▢ ゼネコンの施工管理業務のリアル
◯ ゴールは同じ、でも現場は毎回違う
ゼネコンでの施工管理の基本は、
「設計図をもとに安全・品質・工程・予算を管理し、
最終的に建物を完成させること」。
どの現場でも目指すゴールは同じです。
でも現場は毎回違います。
・敷地の条件
・お客様の要望
・設計の思想
・使う材料
・協力業者の顔ぶれ
毎回が“一品生産”。
だから前回と全く同じ進め方は通用しない。
これが現場監督を楽しくさせる一方で、
膨大な情報と人の調整に追われる原因でもあります。
◯ 巨額の金額を動かす重責
一つの建物で動くお金は数億〜数十億円単位。
段取りミスひとつで数百万円が一瞬で飛ぶこともあります。
それだけに、現場監督は常に
「いかにミスを防ぐか」「どう効率よく進めるか」を考え続けます。
▢ それでも“アナログ”に頼る現場の実態
どんなに時代が進んでも、
現場監督の仕事には「アナログ作業」がまだまだ多い。
・紙の図面を持ち歩く
・現場でメモを取る
・会議の議事録を手書きしてExcelに転記
・進捗確認をホワイトボードで管理
もちろん一部ではBIMやクラウド管理が進んでいますが、
「現場単位」で見ると紙とホワイトボードと電話がまだ主役です。
これを変えるのが、
現代のIT技術の役目 だと私は思っています。
▢ ITで現場監督が楽になる3つのポイント
では、どこにITを活かせば
「施工管理がもっと楽しくなる」のか?
1️⃣ 情報を一元管理する
・図面
・スケジュール
・写真
・発注書類
これらを紙とファイルで持つのではなく、
iPadやクラウドで一元化する。
私は現場でGoodNotesに図面を入れ、
気になった点をApple Pencilで書き込むだけで
「現場メモ」がデジタル化されます。
これだけで紙の山を探す時間がゼロに。
2️⃣ 現場の進捗をリアルタイム共有
ホワイトボードの工程表も、
スマホやタブレットで共有できる時代。
たとえばiTwo(イツー)などの施工管理ソフトや
チャットツールを組み合わせて、
現場の進捗を協力業者・所長・営業が一目で把握できるようにする。
「誰がどこで何をしているか」が見えるだけで、
電話や移動での無駄が一気に減ります。
3️⃣ AIで報告書作業を自動化
現場監督の地味に大きな負担が 日報や報告書作成。
ChatGPTなどのAIを使えば、
ボイスメモを文字起こしして要約までしてくれます。
これを「たたき台」として仕上げるだけなら、
夜の残業時間が大幅に減ります。
「現場に集中できる時間が増える」
これが一番大きい。
▢ ITを“面倒”で終わらせないコツ
便利なツールはあっても、
「入力が面倒」「どうせ慣れない」と敬遠されがちです。
だからこそ大事なのは、
現場で自分が一番面倒に感じていることからITに置き換える こと。
最初から全部は無理でも、
1つ仕組みを変えれば現場監督は必ず楽になります。
✅ 【結論】
ゴールは同じでも、方法は進化できる
ゼネコンの施工管理のゴールは「竣工」。
そこに違いはありません。
でも、そのゴールに向かう道は
現場監督の工夫でどんどん楽しくできる。
ITでアナログ作業を減らす
AIで頭の負担を減らす
情報を誰でも見える化する
「大きなお金を動かす」からこそ、
もっと頭を使うべきところに集中する。
現場監督の仕事は、
ITを味方につければもっと楽しくなる。