施工管理見習いのしゅんです。
建設現場で働く中で、ふとした瞬間に気づくことがあります。例えば、同じようにExcelやCADを使っているのに、先輩は自分の倍速で仕事を片づけている…。決して裏技を使っているわけではない。
なのに、どこか決定的な差がある。その違いに気づいてからというもの、自分は何が足りないのか、どうすれば少しでも追いつけるのかを真剣に考えるようになりました。
本記事では、先輩と自分の仕事速度の違い、早い人と遅い人の思考・習慣の違い、そして今の自分が取り組むべき努力について掘り下げていきます。施工管理という仕事において、目の前の一歩をどう踏み出すか。そのヒントになれば幸いです。
▢先輩の仕事やりかたをみて気づいた、やっていることは同じ(EXCEL、CAD)をつかっているのに、裏技しているわけでもないのに仕事が倍に早い。
→ 結論
速さの本質は「段取り力」と「判断の速さ」。ツールの使い方だけではなく、事前の準備と思考整理にこそ違いがある。
ある日の現場。CADで施工図を修正し、提出用の帳票をまとめる作業に追われていた時、隣にいた先輩は、同じタスクをあっという間に終えて、次の業務に取りかかっていた。驚いた私は、何か特別な機能や自動処理でも使っているのかと観察してみたが、操作は至ってシンプル。使っているExcelやCADも自分と同じ。だけど決定的に違うのは、作業に入る前の「段取り」と「迷いのなさ」だった。
先輩のパソコンには、作業別のテンプレートがフォルダ単位で整備されていた。帳票のひな型、写真整理用のフォルダ、提出用のPDF変換ルールなどがすべて決まっている。だから、迷いがない。クリック数や手間は私と変わらなくても、スタートからゴールまでの「最短ルート」が確保されている。
このとき初めて気づいたのは、速さは“操作技術”ではなく“段取り力”によって生まれるということ。道具は同じでも、そこに至るまでの準備・ルーチン・思考整理があるかどうかで結果が大きく変わる。これは真似できるようでいて、意識しなければ永遠に身につかないスキルだった。
▢手順、環境は同じなのに仕事が明らかに早い人と遅い人の違いは?
→ 結論
全体を見通す力、優先順位をつける力、迷いを最小限にする“決め打ちの判断力”が、仕事の速さを左右する。
「作業環境も手順も同じなのに、なぜあの人はこんなに早いのか?」という疑問。これは現場監督として働いていると、幾度となく直面するテーマです。明確な違いは「考え方」にあります。
早い人はまず“全体像”を常に意識しています。工程、段取り、提出物の納期、各種調整の必要性……。今やっている作業が「全体のどこに位置するか」が頭に入っているから、自然と優先順位が明確になり、手戻りが起きにくくなります。一方で遅い人は、ひとつひとつの作業に没頭しがちで、全体を見失いやすい。結果として「後からやり直す」場面が多くなってしまいます。
また、早い人は「やらないこと」を決めるのも上手です。帳票や図面において、完璧主義に走ると無駄な時間が増えますが、「ここは最低限」「ここは要所」と判断してリソース配分をしているのです。つまり“決断力”の差ともいえるでしょう。
このような積み重ねが、「気づけば終わっている人」と「まだ途中の人」を分ける決定的な違いになっているのです。
▢先輩に勝れない経験という差を埋められないところで自分が今すべき少しでも追いつく努力の方法
→ 結論
経験の差を埋める近道は、「型を盗む」「環境を整える」「振り返りを習慣にする」の3つ。真似と記録が、成長の土台になる。
現場の仕事は“経験”がものを言います。それは否定できません。しかし、だからといって若手や中堅が何もできないわけではありません。経験の差は一気に埋まりませんが、縮める方法はあります。
まず最も有効なのは「型を盗むこと」。先輩の仕事の流れ、使っているテンプレート、メールの書き方、打ち合わせでの発言内容まで観察し、「なぜそうしているのか」を分析します。型を知れば、状況に応じた判断ができるようになり、迷いが減ります。
次に「環境のカスタマイズ」。先輩が使っているショートカット、フォルダ構成、Excelの関数ルールなど、細かな設定や仕組みを真似て自分の作業環境にも反映させます。これにより、余計な手間が省け、スピードも正確さも自然と向上します。
最後に「振り返り」。1日の終わりに、「どこで手が止まったか」「なぜそこで迷ったか」を記録します。これを毎日繰り返すことで、行動の改善点が明確になります。これは“経験の追体験”ともいえる地道な成長法であり、確実に効果があります。
✅まとめ(結び)
建設現場では、同じツール・手順を使っていても、驚くほど差が出るものです。その違いの正体は「ツールの性能」ではなく、「段取り」「判断力」「環境」「経験」にあります。そして、これらの差は努力次第で埋めていけるものです。
先輩に勝てないことを嘆く前に、まずは「真似る」「整える」「記録する」を徹底する。こうした日々の地味な積み重ねが、数ヶ月後の圧倒的な差につながります。